ダウ理論 その1 トレンドの定義と目線
これまではトレードをする上で必須の超基礎用語について解説してきました。いよいよ今回から本格的なチャート分析に入っていきたいと思います。
一見すると規則性のかけらもなさそうな相場がどういう状況なのか、どこで買えばいいのか、その根拠は何なのかなど様々な判断をしなければいけません。
これから多くの相場を分析する視点について学んでいきます。その中でもすべての基礎であり超大切なダウ理論について何回かに分けて解説していきたいと思います。
トレードが上達するうえで大切なのは基礎です。そこを念頭に初手から”奥義”を学ぶつもりで早速行きましょう!
ダウ理論とは
ダウ理論というのはチャールズ・ダウさんが提唱した市場での値動きはこのような特徴があるよ、という理論みたいです。このダウ理論を多くの人が認識してダウ理論通りに動くと思っているからこそ機能してきます。
ここを踏まえて読んでみましょう。
以下、ダウ理論全文をWikipedia様から引用してきました。ややこしいですが全文軽く読んでみてください。
1.平均はすべての事象を織り込む
政府が発表する経済統計や企業の業績・更には自然災害の様な予測不可能な事象に至るまで、需給に関するあらゆる事象は全て市場価格に織り込まれる。市場価格はあらゆるファンダメンタル(材料)の反映であるという考えであり、その意味で効率的市場仮説の主張に基づいた考えとも言える。
2.トレンドには3種類ある
ダウ理論では、価格変動の分析において市場動向(トレンド)を重視する。そのトレンドを以下の3つに分類している。
主要トレンド:1年~数年のサイクル。
二次トレンド:3週間~3ヶ月のサイクル。
小トレンド :3週間未満のサイクル。
これらのトレンドは互いに独立しているのではなく、二次トレンドは主要トレンドの調整局面であり、小トレンドは二次トレンドの調整局面として捉えられる。
3.主要トレンドは3段階からなる
また、主要トレンドは買い手の動向によって3つの段階からなるとしている。
先行期 :市場価格が下落し全ての悪材料は織り込み済みと判断した少数の投資家が、いわゆる"底値買い"をする時期。価格は、下落しているか底値圏で上下している。
追随期 :市場価格の上昇を見て追随者が買いを入れる時期。価格は、上昇局面にある。
利食い期:価格が充分に上昇したところを見て、先行期に買いを入れた投資家が売りに出て利益を確定する時期。価格は既にその前から上昇局面にあるものの、その上昇する値幅は小さくなっている。
4.平均は相互に確認されなければならない
複数の平均的指標が存在する場合、その両者に同じシグナルが見られないなら明らかにトレンドとして捉えることは出来ないと考える。もっともシグナルが同時期に出現する必要はないものの、直近においてシグナルが発生していればトレンドとして捉えるべきであり、且つ可能な限り同時期に近ければ確定的としている。
ダウが活躍した時代のアメリカでは、工業生産が盛んになると共に製品を輸送するための鉄道が整備された時期であった。工業生産の好調・不振は即座に鉄道業の経営に影響したことから、ダウが創刊した『ウォールストリート・ジャーナル』ではダウ・ジョーンズ工業平均株価と運輸株平均をチャート形式で掲載している。
5.トレンドは出来高でも確認されなければならない
市場の終値の変動をダウは重視するが、同様にトレンド発生の確認手段として出来高の推移も重視する。
例えば上昇局面においては値上がり時に出来高が増加し値下がり時には出来高が減少、下降局面においては逆になる。主要トレンドに従って取引する投資家が多数派であり、二次トレンドや小トレンドで利益を得ようとする投資家は少数派であると考え、それが出来高の多少に反映するとする。
6.トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
現在の市場で発現しているトレンドは、明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続し続けるとする。トレンドに従った売買によって多くの投資家は利益を得るのであり、トレンドに逆らった売買で利益を得るのは難しい。
めちゃくちゃ何言っているかわからないんですよね(>_<)
しかもトレンドという新たなワードが連発されている。
これはトレンドというものを知らないとどうにもなりませんね…
と、いうことでトレンドについて学んでいきたいと思います。('ω')
トレンドとは
複雑で規則性の見えないチャートも実は簡単に分けた場合2つの状態しかないんです。それは方向感が出ている状態か、はたまた迷っているのか。図で表すと
このように一方向に対して動きが明確なのがトレンドです。
これに対して方向感のない状態
このような状態をレンジと言います。
ダウ理論はトレンドが主題なのでレンジの解説はまた別の機会に、ということになります。それではトレンドの解説に戻りたいと思います。
トレンドには2種類あって先ほどの画像の
これはアップトレンドで、(上目線)
こちらがダウントレンド(下目線)になり、この2種類しかないです。
基本的に私たちはこのトレンドに乗って利益を出すことを目指していきます。
じゃあこれからトレンドが続いていきそうなのか、はたまたトレンドが転換しそうなのか、というところを我々は知りたいんですよね。トレンドが出ているのか(上なのか下なのか)判断することを目線を付けるといいます。
この目線を付けるためにもまずどうなったらトレンドなのか、ここの定義について先に学んでいこうと思います。
トレンドの定義
何がどうなったらトレンドと呼べるのか、どのようになったら
トレンドが終わる可能性があるのか
ここが分からないと実戦には使えませんのでそこを解説していこうと思います。
トレンドの定義というのは、
アップトレンドの場合、高値と安値の両方が切り上がり続ける限りアップトレンドです。
ダウントレンドの場合、高値と安値の両方が切り下がり続ける限りダウントレンドです。
高値が前回の高値から切り上げ、安値も前回の安値から切り上げ続ければ、
そのトレンドは継続していることになります。
トレンドの継続はわかりましたが、どのようなときにトレンド転換の可能性があるのでしょうか。
ここでさっき見たわけのわからないダウ理論の第6が必要になります。
もう一度見てみましょう
6.トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
現在の市場で発現しているトレンドは、明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続し続けるとする。トレンドに従った売買によって多くの投資家は利益を得るのであり、トレンドに逆らった売買で利益を得るのは難しい。
つまり明確な転換シグナルが意味するところを知る必要がありそうです。
これから学ぶのは明確な転換シグナルをはかるうえでも、実践的なトレードをするにもとても重要な概念を今から学びたいと思います。行きましょう('ω')
押し安値と戻り高値
アップトレンドにおいては押し安値、ダウントレンドにおいては戻り高値というものが大事になってきます。
ここを抜けるかどうかでトレンドの転換する可能性を見ていきます。と文面では伝わりにくいと思うので見てください。
トレンドの継続中に現在の高値の根本となる安値(押し安値)を下抜くと、トレンドが転換する可能性が出てきます。
つまり、
現在のレートが高値1にある場合、高値1の押し安値を下抜くまでは上目線(アップトレンド)と考えます。
レートが進んでいき、高値1の押し安値を割らずに上昇し高値1を更新してさらに高い高値2を作りました。
こうなったら高値1を高値2が更新したため、押し安値も高値1の押し安値から高値2の押し安値へと移動します。
現在のレートの場合、高値2の押し安値のみが意識される押し安値であり、高値2の押し安値を下抜くまでは上目線です。
では高値2の意識される押し安値を下抜けたらトレンド転換なのかと言われるとそうとも言い切れません。
トレンドの定義を思い出してみてください。トレンドは高値と安値双方が切り上がり(切り下がり)をすることが定義なのです。
トレンド転換が”押し安値を下抜くこと”だけとせずに、
このように新たに意識される戻り高値が出来て初めて、アップトレンド終了、ダウントレンド形成とするべきです。
最高値を作った意識される押し安値を下抜けた(上目線終了の可能性)
+
高値と安値双方が切り下がること
トレンド転換の条件が上記のようになるからです。
意識される押し安値を抜いたことのみで考えた場合、
意識される押し安値を下抜いたからダウントレンドだ!となった途端に高値更新してアップトレンド継続したり、
意識される押し安値下抜いた!あれ、高値もちょっと超えた。てことは…(・・?
みたいに気づいたらレンジになっていたパターンなどもありますので意識される押し安値を下抜いたからダウントレンドだ!とすぐにトレンド転換したと決めないことが大事になります。
まとめ
今回はトレンドについて学び、目線を付けることができるようになりました。これらはトレードをする上で非常に重要な概念です。これがすべての基本であり奥義だと思っているくらいです。それほど奥が深いので、これを見たらぜひチャートで目線を付けてみたください。
もしやるならドル円日足などでやってみてください。
そこで得る”こうなった後はこうなりやすいのかな”といった様々な気付きを見つけようと考えることが一番大切で自分の力になります。
最低でも”目線ならすぐつけられるぜ”レベルまでいかないと実戦では使い物にはならないのでそこまで使い込んでみてください。
今回も読んでいただきありがとうございました。ダウ理論その2に続きます(*'ω'*)
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。